最新2022年GDPランキングとグラフ 世界212ヶ国のGDP、一人当たりGDP、人口のデータ by GD Freak!

 2022年の日本のランキングのまとめ

• 2022年の日本のGDPの規模は4.2兆ドル(556.5兆円)で212カ国中の第3位（2021年と同じ）。1978年～2009年までの32年間は第2位であったが、その座を2010年に中国に明け渡し、現在に至ります。こちらでデータを確認できます。


• 2022年の日本の人口一人当たりのGDPは39,650ドルで212カ国中の第33位（2021年は33位）。過去の最高順位は1994年と1995年に記録した第6位。こちらでデータ及び順位の変遷を確認できます。


• 2022年の日本の人口は1億2,395万人で212カ国中の第11位（2021年と同じ）。
• ランキングにおける日本の現状を総論的にまとめると、GDP規模では3位と堂々たる位置を占めているが、人口は10億人前後の中国・インドに次ぐ規模。一人当たりGDPは先進国と比べて低めの水準（たとえ、為替相場の現状を考慮したとしても）にある。また、簡単な考察を行うならば、日本はGDP全体ではまだ経済大国の地位があるが、少子高齢化により人口が減少基調にある。生産年齢人口の減少が経済成長の制約となっている可能性が高い。一人当たりGDPを押し上げる成長戦略が必要不可欠。日本は先進国の中でも人口動態からみると厳しい状況にある。経済力を維持・向上させるには生産性向上が喫緊の課題であり、そのための構造改革、私たち一人ひとりのマインドセットの変更が重要になる。

 世界212カ国 グラフへのリンク

下の地域バッジからグラフを見たい国を含む地域をクリックまたはタップしてください。なお、地域分類の方法は、国連の分類に従っています。

 データ作成の概要

このデータが国連によりどのように作成されたかを簡単に説明しましょう。 国連が各国の国民経済計算(SNA)の結果を国際比較することを目的に、国連加盟各国にデータの提出を要請し、それをデータベースとして取りまとめ公表されたものです。

データが整合的に整備されていない場合は、国連が推計を行っています。また、国連が、自国通貨ベースでのデータ整備後にIMF(国際通貨基金)が公表している 為替レート(米ドル)を用いて、GDP等を米ドルでの評価額に変換しています(IMFがその国の為替レートを公表していない場合は、別途推計しているとのこと)。

GDP等を米ドルで評価替えすることにより、各国のデータの大小を比較することが便宜上可能となっています。しかしながら、米ドルによる各国データの評価額替えが、 国際比較をする上で完全に正当化される方法ではないことも理解しておきましょう。一般的にはPPP(購買力平価:purchase power parity)レートにより評価替えされた額で国際比較を行うべきと言われていますが、 210カ国以上のPPPのデータを準備するのは実務上不可能ですので、ここでは米ドルでの評価額を用いて国際比較を行います(IMFがPPPベースのGDPを公表していますが、相当...だと言えるでしょう)。

 そもそもGDPとは何なのか？

GDPは国内で創出された付加価値の合計！

GDPとは何なのでしょう？社会人であれば、GDPという言葉を誰しも見聞きしたことがあるでしょう。GDPは、英語のGross Domestic Productの略語であり、 日本語では国内総生産といいます。厳密な説明をすると無駄に長くなってしまいますので、ここでは、なるべく簡単な説明を試みます。

ざっくり言うとGDPとは粗利のことです。 たとえば、AとBという原材料をそれぞれ100円、200円で仕入れて、それを加工してCという製品を作ったとしましょう。 そして、この製品(商品)Cを600円で売ったとしましょう。このとき、粗利は、600円(Cの販売価格)-100円(原材料Aの仕入額)-200円(原材料Bの仕入額)=300円となります。また、この粗利300円は、 もともと100円と200円で仕入れたものを生産者が加工し、それを購入者が600円の対価を支払うことにより発生したものなので、「付加価値」とも言われます。 つまり、生産者は、原材料を加工することにより新たに300円という付加価値を創造したことになります。

そして、生産者が得たこの付加価値300円が従業員の給料、企業の利益、税金等へ分配されることになります。

GDPというのは、上記のような付加価値(粗利)を国内にあるすべて企業について合計したものだと言えます。下にあるグラフの例.3を見てみましょう。 これは、2017年にタイで創出されたGDPの合計に対してどの産業がGDPを創出したのかを割合で示したグラフです。

GDP＝付加価値＝最終需要！

上記では、粗利＝売上－原材料、つまり物やサービスをどう作るか(生産プロセス)、という視点から付加価値(GDP)を説明しました。次に少し見方を変えて、生産した物やサービスを 誰に販売するのか(販売プロセス)、ということを考えてみましょう。もし、野菜を作る農家であれば、小売店を通じて野菜を費者に販売することもあるでしょうし、レストランやお弁当屋に販売することもあるでしょう。 また、電子部品を作るメーカーであれば、その部品を調達して製品をつくる別の製造業者に販売することもあるでしょうし、海外の生産者に販売することもあるでしょう。

今挙げた例のうち、農家が野菜をレストランやお弁当屋に販売することや電子部品のメーカーが別のメーカーに部品を販売するのは「原材料」を供給することである ことを覚えておいてください。次に「売上－原材料＝粗利」の式のうち「売上－原材料」の意味を考えてみましょう。 先ほどは、この式をある企業の生産工程に当てはめて粗利(付加価値)を説明しました。今度は、「売上－原材料＝？」の「？」の部分の意味を考える際に、誰に販売するのか、という視点で考えてみましょう。そうすると、 「？」の部分は「その商品を原材料ではなく、最終的に消費・所有する人や企業へ販売した金額」ということになります。これを野菜と電子部品の例で言うと、野菜を小売店で販売することや電子部品メーカーが 海外に販売することに相当します。つまり、国内にある企業の売上は、「国内にある企業へ原材料として販売した額」と「原材料としてではなく、物やサービスを最終的に消費・所有する人・企業・政府へ販売した金額」 の2種類から成っているということです。 この「原材料としてではなく、物やサービスを最終的に消費・所有する人・企業・政府へ販売した金額」のことをマクロ経済学では「最終需要」といいます。

ここまでをまとめると、「付加価値＝売上－原材料」、「売上＝原材料+最終需要」となるので「付加価値＝最終需要」が成立することになります。 最終需要を大別すると、家計の消費需要、企業・政府の設備投資需要、政府の消費需要、海外需要ということになります。

GDPが何なのか分ったでしょうか？ 一国の経済を俯瞰すると「付加価値＝最終需要」となることを説明しましたが、これはその大きさが等しくなることを意味するのであって、 最終需要が直接的に付加価値を作り出す訳ではないことも理解しておきましょう。例えば、輸出品を生産するのに輸入品を大量に使えば、その国で創造される付加価値は国内品を使った場合と比べて大きくなりません（同じ価格の国内品がある場合）。したがって、単純に言えば、市場で競争力のある製品やサービスを国内に多く抱えている国はより多くの付加価値を創造できるのです。